カナダでキャリア模索中の30代の日常

カナダのトロントでワーホリ終了後にカレッジで幼児教育の勉強をしました。オンタリオ州のRECEとして働いた後、現在は発達障がいの方を支援する非営利団体に勤めています。

老後の資金か今を生きるか

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最近、ツイッターでカナダに住んでいる方の『年を取ったらお金を使わなくなるので若い時に旅行など経験にお金をどんどん使った方がいい。若い時にお金稼ぐことだけに人生の時間を使わないでね。』というアドバイスを88歳の女性から貰った、というツイートを見かけた。ちょうどその日、私は朝から自分のTFSAやRRSPの口座を眺めつつこれからどういう風に老後資金を積立していくかに思いを巡らしていたのでとてもタイムリーな話題だった。

私は20代の頃はお金を安定して稼ぐより自分のやりたいことをやることに重きを置いていたし、老後資金を貯めるようなタイプではなかった。その上、数年前に日本からカナダにやって来て2年間ほぼ働かずに貯金を切り崩しながらフルタイムの学生をやった。その後、転職して今はECEをしている。前々から承知していることだがECEの業界は他の業界に比べて給料が低めだ。お金をもっと稼ぐことに集中するなら他の業界に行っていたし、それでもこのカナダで得た経験は使ったお金以上に価値があったと思っている。

だけど、パートナーと出会い親になり、日本の父や妹から遠く離れて暮らす今、老後資金の積立とか将来の為にお金を貯めるのは自分にとってとても大事なことである。私は幸い、日本で定年間近の父を養わなくても良い状況にあるし、自分の育ての親であるおばあちゃんも最期まで医療費からヘルパーを雇ったりと身の回りの支払いを自分の年金や資産でまかなっていたのを見ていた。その上入院中でも孫である私達にお小遣いをくれるくらいだった。今はまだ60代で元気な父だが私が50代になる頃にはもう80代である。堅実な彼のことだから自分に必要なお金は貯めてあると思う。だけど私が父の為に頻繁に日本に帰ったり仕事を休んだりしたければまとまったお金が必要だろうし、また自分が80代、90代になって生活に不自由が出てきた時にはパートナーや娘の負担になりたくない。カナダでも政府から補助はあったりするだろうが老人ホームもかなりお金がかかると聞く。そして、それ以前に不動産や家賃が高騰するトロントで引退時に持ち家がない場合は家賃を払い続けることになる。2022年の現在、私が住んでいるビル内での2ベットルームのユニットは$2,700ほどで貸し出されている。自分が引退する頃にはインフレーションで1ベットルームの家賃が$5,000以上でも驚かないだろう。現在の不動産マーケットでは多くの20代、30代のカップルが家を買うのは難しいだろうし、シングルの場合は尚更だ。今引退する世代が若い頃は一軒家の値段がまだ数千万円だった。そして昔、数千万円で買った家を今数億円で売ることだって可能だろう。(ちなみに、私の職場で来年リタイアする上司もつい最近家を3億円くらいで売っていた。)それでも、インターネットで調べて見たところ、カナダにはシニア世代向けのシェアハウスのマッチングサービスがいくつかある様だ。この前見たドキュメンタリーではカナダ人の引退後の男性が取材されていた。彼が10年以上賃貸している1ベットルームのアパートメントの家賃が$1,000程(具体的な数字は忘れてしまった。)なのだが、もし万が一アパートメントのオーナーが彼の住むユニットを売ることになり出ていかないと行けない場合はもう現在の収入では1人でアパートメントを借りるのは無理だろうと話していた。ハウスシェアリングは全然悪いものではないと思う。日本では家族と同居か一人暮らししか経験したことがなかったので未知の世界ではあったが、カナダでは2件のシェアハウスを経験した。バスルームやキッチンを使いたい時に使えなかったりはしたが、一人暮らしの寂しさもなく値段を考えればとても良かったと思う。今だって義兄とコンドをシェアしている。ただ私とパートナーの希望としては将来的に2人だけで住宅ローンを組みコンドを買いたい。しかし現在、ローンと共益費の支払いに毎月$4,000以上の請求が来るので今の私達の経済状況では義兄との同居は必須だ。

『カナダでECEとして就職する。』というのが私の30代前半の大きな目標だった。そのために沢山お金を使った。そのお金を老後資金に回し、日本に留まっていたら私の銀行口座には今もっとお金があっただろうけど後悔は一切していない。でもその上で私の意見は変わらず、老後の資金はできる限りしっかり貯めた方がいい。自分にとって大切なことにはしっかりお金を投資した方が良いが、同時に自分やパートナーが年老いた時にも幸せでいれるよう、そして家族の負担にならないように、また海外に住む私の場合は父や妹に何かあった時に自分の最善を尽くせる様に資産形成を進めておきたい。

『お金がある、ない。お金が順調に貯まっている、貯まっていない。』という感覚はその人の収入や価値観によって本当に違うので一概に議論するのは難しい。もしかしたら、私が精一杯貯めている老後資金の額がとある人からしたら無理なく貯めれる少ない額かもしれない。そして、インフレーションが急速に進み不動産価格が高騰する今のカナダでこれから生活基盤を築いて行く私達と引退済みまたはこれから引退する世代の状況は全く違うのも明らかである。

 

私自身、まだ永住権の申請も開始していない状況でカナダの年金制度までしっかり調べていなかったけど、近々カナダの年金や老後の資金事情についてリサーチして記事を書きます☺️

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