カナダでキャリア模索中の30代の日常

カナダのトロントでワーホリ終了後にカレッジで幼児教育の勉強をしました。オンタリオ州のRECEとして働いた後、現在は発達障がいの方を支援する非営利団体に勤めています。

ECEの教育実習ってどんなの?②

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今回の記事は私がカレッジで体験したオンラインの教育実習についての記事です。

ECEの教育実習ってどんなの?① - カナダで幼児教育勉強中

2学期/3学期

夏に2学期を受講していたので本来ならAfter school programという幼稚園児以上の子供が通う日本の学童の様なプログラムに実習に行く予定だったのですが、パンデミック中だったので、カレッジの教授とディスカッション中心のセッションを受講しました。その後、3学期はInfants/Toddlersと0歳から2.5歳までの子供に関する勉強をしていたのですが、私の通うカレッジのLab schoolのToddlerクラスのECEが開催するオンラインのワークショップに毎週開催しました。Lab schoolはレッジョ・エミリアの教育哲学をたくさん取り入れているデイケアで、またオンタリオ州の幼児教育指針“How does learning happen?”が推進する4つの基盤(1. Belonging 2. Well-being 3. Engagement  4. Expression)に基づいてプログラムを作ることに重きを置いています。前回のブログでも触れましたがThe whole child approach(子供の成長をを各発達領域に分けて分析するのではなく、子供の全体像を見るべきだと考えるアプローチ)では子供がクラスルームの中で自分の居場所を確保できているか(1. Belonging)、子供が心身共に健やかな状態を保てているか(2. Well-being)、子供が興味を持ち熱中して取り組めるマテリアルや環境があるか(3. Engagement)、子供が多様な形で表現することをサポートできているか(4. Expression)を重視します。一方で、Developmentalism(子供の成長を各発達領域に分けて分析しサポートするという考え方)では子供が各スキル、言語力や認知機能、身体能力、社会性などが年齢的に“正常”とされるレベルまで発達しているかを判断し、発達に遅れがある場合は各領域ごとに子供の発達を促進できる様サポートをします。どちらを重視するかはECEやセンターによって様々です。Developmentalismは子供が幼稚園、そして小学校に進学する準備をサポートするのには良いアプローチなのは間違いなのですが、多様な個性、文化、言語的背景、能力を持った子供達をインクルーシブな環境でサポートするという点に関しては、時にDevelopmntalismは子供にとって抑圧的なアプローチとなってしまいます。この年齢の子供はこのくらいの発達状況にあるべき、つまりこれくらいが普通という基準がどう作られる考えた時、カナダでマジョリティとされる人が基準となります。カナダでのマジョリティは白人で英語が第1言語の西洋的文化背景の中で育ったヘテロセクシャルで障害のない子供達ですし、日本の場合はまた日本の“普通”があるでしょう。この様な視点から私はECEとして子供の発達の知識は持ちつつも、上記の4つの基盤を重視し、インクルーシブなプログラムを作ることに重きを置きたいと考えているので、Lab schoolの方針からは学ぶことが多かったなと感じています。

4学期については③に続きます。